ダークな裏社会を描きながらも決して暗い話ではなく、むしろ長い歳月をかけて初恋を実らせる純愛モノでした。小学生で出会い付かず離れずの微妙な中高時代を経て、別離から再会するまでの長いスパンのお話で、20年の間に複雑に交錯した2人の想いは廻り巡るファンタスマゴリアのようでした。受けのそばに居続けるため"友人"という形を選んだ攻め。友人としてのポジションで受けの窮地を何度も助ける攻めはまさにナイトでした。守られる側の受けも決して女々しい訳ではなく、むしろ情に熱い男前でちょっと珍しい組み合わせが面白かったです。そしてこの物語の仕掛け人ともいうべき大瀬良を始め、脇を固める脇役たちのキャラが強烈で個性的でした。