このレビューはネタバレを含みます▼
養老先生の著書で初めて手に取ったのがこちらの本でした。いろんな分野にわたりお話をしてくださる養老先生ですがこちらはタイトル通り「自分」ということにフォーカスされているお話ばかりで日々自分の本当の部分やどうして私はこうなんだろう、と自分に矢印を向けて物を考えることが多かった私にとってかなり肩の力を抜くことができる言葉ばかりが並べられていて何回も繰り返し読んではその度に「はっ、そうだった」と気づきを与えてくれる大切な一冊です。
養老先生は博識でいらっしゃりその脳にある引き出しの数は想像を超えますが、勉学が足りない私でも分かりやすい単語ばかりを使ってお話を紡いでくださっているので難しいと感じる所が少なくすごく読みやすかったです。あっという間に読了してしまいました。
また逐一「良いとか悪いとか、そういったことを言っているのではありません」などと読者がきちんと話についてきているかまるで後ろを確認するような言葉を挟んでくださったり「白か黒か、ということを言いたいのではなく、ただそうだ、ということを言っているだけです」というように白黒思考の意見を述べているわけではない所がたくさんあり、その偏った物言いではない話口調が押し付けられている感じがしなくて終始心地よく話がすっと心に入ってきました。
中には養老先生の意見に自分が賛同できない部分も確かにありましたが「でもそれでいい」と柔らかくその事実を受け止めさせてもらえる養老先生のニュートラルな語り口調が掲載されている素晴らしい新書だと感じました。
こちらの一冊が素晴らしかったのでそこから私の養老先生の著書を一つずつ制覇していく旅が始まりました笑
これからも沢山のことを発信してくださることを願ってやまない貴重な先生のお一人でらっしゃると感じています。