このレビューはネタバレを含みます▼
発売したころの表紙がきれいですごい好きだったんですけど使えなかったんですかね。
烈、という名前の通り気性の激しい酒蔵の娘のヒロインと、その叔母、そして家族のお話。
叔母がめちゃくちゃいい人で、彼女の心が通じて烈が変わっていくところとか、完全に目が見えなくなってしまう絶望と立ち直る希望と、ほんとに感動する名作。すごい引き込まれるし、胸アツ。時代劇じたい苦手なんですけどこの小説は突き抜けて面白かった。
朝ドラか大河でやってほしい。映画はやってたと思う。
お父さんが16才だかめちゃくちゃ若い嫁を遊郭から連れてきて、息子を授かるけどかわいかったのに急死してしまったあたりすごい覚えてます。その後この嫁は田舎で不愛想なタバコ屋のばあさんになっているという。
頭の中で自分が頭がいいと思ってる論破みたいの延々こねくり回して最後勝手に自滅していくような男の話はかけらも名作だと思わない。異常なクソ意地の悪さだけが悪目立ちする話を書くために不自然なゆがんだ関係をこねくり回して不幸すぎる話も同じく。一人の少女の闇から光へ力強く歩き出すようなこの話みたいのが本当の名作というんだと思う。