ネタバレ・感想あり眼を開くのレビュー

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「本」を読める幸せ
ネタバレ
2021年8月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ こちらもフォローしている方のレビューで知った作品です。青空文庫、ありがたすぎます。さて、夢野先生ですが、フォローさんの仰る通り、読み手の感想が分かれる作者さんで、私は途中で挫折した口です。ですが、この作品はとても読みやすかったです。ただ、読みやすいけれど、端々にヒリッとするものを感じます。さらけ出される「私」の内面に、自分の内側も見透かされているような焦りを感じました。唯物弁償ですべてを見ていた「私」が初めて知る精神世界。知る術が、忠義な郵便配達員の「死」であったことは、正直、どう折り合いを付けたらいいのか分からないのですが(書かれている描写にも少し戸惑いました)、その精神世界を誰かの「死」ではなく、「小説」(あるいは「本」)で知ることができるのは、ありがたいことであり、幸せなことだなと思いました。(短編、無料)
ずっとずっと探していた作品
2021年8月1日
ある郵便局員のお話です。奇妙奇天烈なお話が多い夢野久作作品の中では、失礼ながら「らしくない」お話で素直に感動したのを覚えています。
大学時代、この作者にハマって色々と読み漁り初めてこちらを友達に勧めてみました。夢野久作はドグラマグラや少女地獄など強烈な作品が多く好き嫌いが別れるのか友達も合わないと拒絶していた作者。恐る恐る(笑)といった感じで読み進めた後に「いいお話だね」とニコニコしながら言ってくれたのが嬉しくて、今でもその時の事を鮮明に覚えているんです。だからこの作品は忘れられなくて、だけどそれ以来何処かにいってしまって読み返せなくてずっとずっと探してました。
この度、無料で読める青空文庫で夢野久作作品を多数発見、ついに探し当てました!嬉しくてレビューも熱くなっちゃいましたが、こちらは万人受けする数少ない夢野作品だと思います(笑)ページ数も少ないし無料なので、良かったらお暇な時に覗いてみてください。地味にいい作品ですよ。
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作家名: 夢野久作
出版社: 青空文庫
雑誌: 青空文庫