ネタバレ・感想あり鬼狂いのレビュー

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太古は「しこ」また単に「もの」と呼んだ。
2017年1月16日
西村さんは何しろ多作ですので、エロだけの三文小説も中にはあるわけですが、そうでない小説もあるので暇のある方は探してみてください。
昔、所謂「まつろわぬもの」は単に「もの」と表されることがあった。それがあるから、西村さんがタイトルの「鬼」に「もの」と振り仮名をふっているのを見て、これは当たりじゃないか?!と思ったら、本当に当たりでした。
人間の強さ、弱さを貪欲に書く、ギンと張りつめた小説です。
勿論西村さんですから、性的な描写は皆無、とはいきませんが、悪趣味なだけのやっつけ仕事にはなっていません。
何せ多作ですし、出来不出来がこう極端だと
「西村さんて3人くらい居るんじゃない?」
という気もしますが。。
ともあれ、同作者の犬シリーズが好きな方なら、本作も楽しめると思います。
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作家名: 西村寿行
出版社: KADOKAWA
雑誌: 角川文庫