もう少しほろ苦い大人のラブストーリーかと思っていましたが、思ったより可愛らしいテイストのお話でした。ヒロインは中身・外見ともに、良くも悪くもアラサーらしさは無くハタチそこそこくらいの印象。『喫茶』というジャンルは面白いし、読後感も温かくて素敵でしたが、恋愛話としてはやや淡々とした感じでキュンとくる場面が無かったのが残念。そして個人的にちょっと文体が苦手かも…。体言止めが多用され、主語述語が微妙に噛み合わない独特の表現も多くて、それがこの作者さんの文章の『味』なのかもしれませんが…なんだか児童文学を読んでいるような、何とも言えない幼さみたいなものを感じてしまい(話の中身ではなく文体に)、ちょっと読みづらかったです。