ネタバレ・感想あり氷点シリーズ 全4冊合本版のレビュー

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昭和の少女漫画の原点なのかも
ネタバレ
2025年4月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 氷点てどんな話?と母に聞いたら可愛がられてた養女の女の子がね、その家の女の子を殺した犯人の娘だってわかってお母さんからすごいいじめられるのよ。と聞かされた時、は?え?なんで自分の娘殺した犯人の娘を養女に?わかていじめるって、何?まったく意味がわからない、と思った記憶がある。
しかし本当にそういう話だった。
旭川が舞台で、上述のような奇異な運命を辿る殺人犯の娘陽子は義母から給食費を貰えず小4でホワイトアウトで大人でも遭難して死ぬような災害の中でも給食費を稼ぐために牛乳配達のアルバイトをし続ける。
全ての原因サイコパスな女大好き村井と陽子が実は犯人の子じゃないのに誰の得にもならない嘘ついた高木はなんかもう、スッとするような罰が当たってほしい。
夏枝の陰惨ないじめの数々、この作品が爆裂ミラクル大ヒットした後、陰険卑劣で根性が腐りねじ曲がったいじめを延々と悲劇のヒロインにやる昭和の少女漫画でみんな真似したんだろなと思いました。今でも家族から愛されず捨てられイケメンに拾われる令嬢とか一つ流行ると無限にコピーが量産されてるので、いつの時代もやってることは変わらないんだなと。
氷点の最後で陽子が死のうとした後に高木が実はおまえ犯人の子じゃないんだ知り合いの不倫した奴の子なんだと明かすくだりは、当時、人気になりすぎて殺人犯の娘を被害者の母親をだまして育てさせるというあまりに最低な行為に不満が殺到してたから不自然に実は罪人の娘じゃなかったよ、て不自然なオチにしたんじゃないかなと思う。しかし本当の殺人犯の娘は違うところにもらわれてめちゃくちゃ愛されて幸せに育っていて主人公と友達になる。近いな人間関係!夏枝の娘のいじめはひどければひどいほど読者の反応が良くて悪ノリして嬉々としてアイデア出してたんじゃないかなとも思う。夏枝は今ならある意味伝説の悪女として人気出そうな気はする。陽子がいわくつきじゃなくても綺麗に育っていくうちに嫉妬してひどいことはしたと思う。こういう人はいる。一番怖いのは何度もドラマ化されても作者の女性を完全に支配管理していた旦那がテレビなど淑女が見るものではない的な命令で一度も見れなかったらしいこと。夏枝は作者なのかもしれない。
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心が冷たく凍るポイント。
ネタバレ
2022年12月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても読みやすい文章で、さくさく読めます。歪んだ家族の人それぞれの心情が丁寧に書かれていて、引き込まれます。いくら母から冷たくされても前向きに生きてきた陽子の心が生きることを肯定的に捉えることができなくなるところ、氷点。『続・氷点』も読んだけど、私は『氷点』の方が印象的でした。そして徹が苦悩しつつも本当に誠実で正しくて優しい人。キリスト教の視点ももちろんある作品ですが、そんな前面に出ている感じではなく、人が迷い、もがき苦しむ葛藤、そして人がどう生きることを選ぶのか、丁寧に綴られている作品だと思います。昔ドラマ化されたりもしてるけど、これは小説で読んだ方が絶対に良いと言える作品。
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名作
2024年5月24日
何度かドラマ化されたりして、超有名な作品です。ヒロインの心の美しさに感動します。ストーリーも劇的で引き寄せられて読み進めてしまいます。
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作家名: 三浦綾子
出版社: KADOKAWA
雑誌: 角川文庫