ネタバレ・感想ありたった一人の男のレビュー

あまあまでもビシバシでもない、おとなしいタイプの作品でした。金融のビジネス系の会社が舞台なので、詳しくやり取りがあるのかと思えばそうでもなく、ビジネスの為に関係解消した二人の紆余曲折かと思えばそうでもなく、当て馬が出てきたのに、特にこれといったヤマもなくて、平坦な印象だった。年齢が上な設定の割には、大したことがない？問題に苦悩してたかんじ。結構だらだらとした説明文が多く、ページ数も多く、ワクワクした感情が湧いて来ず、読むのに疲れた。好みのシチュエーションだったのに、ちょっとハズれてて残念でした。

それ以下でもそれ以上でもなく、シンデレラストーリーのように順風満帆のセレブ有能ビジネスマンのBL模様です。ハラハラする山もピンチもなくぬるま湯のような展開が続く。あらすじで説明していることを本文100P以上使って説明しているので退屈でした。スーパー有能セレブが恋に仕事に奮闘するようなハーレクイン系や海外ドラマのBL版！と割り切って読むと楽しいかもしれませんが、そのテーマゆえ話にリアリティがなく私は萌えませんでした。会社仕事を知らない腐女子が夢をつめこみすぎた有能セレブ()ストーリーのようで、読んでて恥ずかしくなるというか。アラブものやファンタジー王宮ものくらいに現実離れしてたら楽しめたのかもしれません。もっと地に足のついた現実感のあるビジネスストーリー展開の方が私には好みのようです。過去の水原さんの作品であまりそういうものがないため、迂闊に作家買いしましたがこの作品は私にはあいませんでした。ハードなエロも執着攻めのねちっこい心理描写も健気受けの切ない機微も無く、何もかも物足りません。もっと吟味すればよかったと後悔してます。