ネタバレ・感想あり待ちつづける動物たち――福島第一原発20キロ圏内のそれからのレビュー

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『猫が落ちてる』
ネタバレ
2022年7月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今や夏の風物詩となってSNSやtwitterに、床や廊下の真ん中に猫がへそ天で転がっている微笑ましい様子がよく投稿されています。

福島第一原発20キロ圏内にも震災後、猫が落ちていたそうです。
道路や玄関先に亡骸となり、干からびたミイラとなり骨となって。
他にも背骨と頭部だけを残して食べ尽くされた状態の犬の遺体。

この本は前作『のこされた動物たち』のその後です。
その後と言っても、国や行政による保護活動は、ほとんど機能していなかったそうです。
ボランティア団体、個人のボランティアの方々の障害になったのが
『原子災害対策特別措置法』
これによって許可証を持たないボランティアの方達は活動を縮小せざるをえなくなった。

保護されないコ達は暑い夏を迎え、不衛生な状況で疥癬に侵され、毛は抜けボロボロになり、飲み水もまともにない。
季節が変わり冬になり雪が舞う中、寒さと飢えに力尽きていく。

東日本大震災の教訓から、国はペットと同行避難を原則としているそうです。
でもその為には、飼い主のモラルも問われてきます。
不妊去勢手術、ワクチン、ノミダニ予防。
わんこに対しては、吠えないよう、喧嘩しないよう、ペットへのしつけ。
2016年の熊本地震でも避難所でトラブルになったそうです。
もし万が一大きな災害があったとき、ペットという存在はどう扱われるのか?

『のこされた動物たち』 『待ちつづける動物たち』 こちらは本当にショッキングな写真がたくさん載っています。
太田氏は地獄絵図のようだったと語っています。
今まで知らずに過ごしてしまったけれど、ニュースで報道されなかった動物たちの真実は、自分のように知らなかったという人がいないように、もっとたくさんの方に周知して欲しいと思います。
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作家名: 太田康介
ジャンル: 写真集 動物写真集
出版社: 飛鳥新社