「公爵とリトルローズ」「氷の紳士に拾われた家政婦」に続く「セント・ジェームズのスキャンダラスな紳士たち」シリーズ3作目です。
少年時代に目にしたある出来事をきっかけに斜に構えて世間を見て放蕩生活を送るアヴェンデールが女詐欺師ローズと出会い、ひとときの情事のために駆け引きをはじめます。序盤はそんな感じで、ある意味退屈でもあるのですが、中盤以降、ローズが詐欺を働いていた理由が明かされてからは、涙なしには読み進められませんでした。家族愛、友情、男女の間に芽生える真実の愛。様々な愛のかたちに胸を打たれる作品でした。