このレビューはネタバレを含みます▼
徳川家康が歴史上で偉大な人物として語り継がれている理由は、一番にはもちろん信長や秀吉との関係、江戸幕府の初代将軍としての功績など、さまざまな観点から重要な物事に関連していた史実があるからだといえます。ですが、この作品を読んで自分は、家康がかなり慎重性のある人間だったことも後々の大成の理由になったと思うようになりました。例えば権力を握った後の自分の近くには、(恐らく不名誉の象徴ともとらえられる)自らが負け戦で命からがら逃げ帰ってきたときの姿を描いた絵をわざわざ飾っていたりするなど、常に舞い上がらない慎重な姿勢を貫いていたというのはさすがだなあと思いました。