ネタバレ・感想あり野の医者は笑う―心の治療とは何か?―のレビュー

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【販売終了のお知らせ】

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『絶望』からどう立ち上がるか?
2020年5月19日
臨床心理学を専門とする著者が、研究のために沖縄のスピリチュアル療法を体験していく話がコミカルに描かれる。研究をすすめる中で、筆者は自分の研究の価値と臨床心理学そのものの意義に深く苦悩する。このあたりの苦悩が、かなり率直に描かれていて興味深い。いわゆる人文社会学研究にいかに社会に貢献するか?という昨今の問題にもかかわる。
一度絶望に陥った人間がどのように希望を見いだし、自分を取り戻し立ち上がるのか?という視点で読むのも、面白いのではないかと強く思った。
読後は、また明日からも自分は頑張ろうと思わせてくれる。
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元気が出るうえに興味深い
ネタバレ
2018年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 恥ずかしながら、スピリチュアル界隈に対して「詐欺」の印象しか持っていなかった馬鹿者がレビューさせていただきます。

巷に溢れかえる非科学的な癒しの数々、私は個人的に嫌な経験が多かったため、苦々しく思っていました。そして、なぜこうした理解できないプチ宗教が乱立しているのか、不思議に思いつつもスルーしてばかりでした。
けれど本書を読むと、スピリチュアルは人間の当たり前の欲求に沿って、自然に出来してきたことが察せられます。それも時には、かなり壮大な夢と希望と善意を動機として(その動機に頷くことはできませんでしたが)。
少なくとも、本書に登場する方たちの多くは、大真面目に人を癒したいのだと解りました。なるほど、私のように斜に構えている者には理解できなくて当たり前です。

本書は説教くさくなく、スピリチュアルを否定せず、あくまで軸足が科学に置いてあるため、安心して読むことが出来ました。私はスピリチュアル界隈を取り上げた記事や本と言うと、彼らを全面的に肯定するものか、頭から否定するものしか見つける事ができずにいたため、なぜスピリチュアルが必要とされているのかへの理解が進みませんでした。本書はスピリチュアルを愛でつつ科学的に話が展開してくださったので、理想の入門書となりました。それにまず、とにかく元気で楽しい描き方なので、笑いながら一気に読むことが出来ました。
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作家名: 東畑開人
出版社: 誠信書房