金沢市が舞台。方言あり。溺愛を期待して読み始めましたが空振りました。基本的に啓が鬱々としてて切ないし、啓が東江に「甘やかされる」という言葉が都度出てきますが、特段、甘やかされてる感じはしませんでした。普通に気のいい友人レベル。半分過ぎた辺りから少し甘さが出てきますが、いわるゆ甘々BLに比べると全然物足りない。最後までの絡みもラストにあっさり一回だけ。なんなら同作者さんの『ライバル×キッチン』の方が余程甘かったです。あと、個人的にはいい人ばかり出てくる物語は嘘臭いので好きじゃないのですが、それにしても本作の美沙と横山は共感できない悪者でした。他にも共感できない理不尽が多かった。それに素直に振り回される啓の思考回路にも苛々してしまった。せめてテンポがもうちょっと良かったら乗れたのかなあ。決して文章が読みにくいわけではないので、残念でした。と、期待して読み始めてしまったばかりに、辛口になってしまいましたが、和菓子の描写、特に東江が朝の仕込みをしてる風景はとても上手く、良質の粒餡を食べたくなりました。