このレビューはネタバレを含みます▼
「倒錯者Aの告白」の方が出版されたのは先ですが、過去編のこちらから読みました。一部上場企業の社長令息の雨宮嵐は日仏ハーフの元モデルの母が自死したのをきっかけに傲慢で支配的な父親から逃れるために家を出ます。ヤクザと暴力沙汰になり警察で調書を取られたときに捜査一課の敏腕刑事である東間永司に出会い、嵐の破滅願望に永司の加虐心が触発されたかのように関係を持ち、そのまま2人は倒錯的な性行為に溺れていきます。全体の9割くらいまで辛かったです。哀しかったです。胸が悪くなるような場面もありました。でも最後まで読めたのは2人が愛し合っているのが伝わってきたからだと思います。Aは嵐のAでもあり永司(A司)のAでもあります。最後まで読むと違った景色が見れますので興味を持たれたら是非読んでいただきたいです。
2008年9月 総296ページ 挿絵あり。