このレビューはネタバレを含みます▼
まるで一人の旅人が記した鉄道写真日記のような味わいのある、貴重な廃駅写真集といえます。取材されている駅の多くが首都圏ではまず存在しないような小さなスケールのホーム、あるいは待合室としての駅舎を備えているのですが、中には東山駅のように簡易的なホームしか設置されなかったところもあるということを知って、少し驚きました。昨今はコスト削減のための鉄道事業合理化や需要の低い駅の廃止が行われていて、実際にこの写真集が出された後も続々と廃止された駅があることを考えると、何にしても思い出を残せる今という瞬間は二度はやってこないという心構えを持つことが、とても大切なのだと感じました。