藍川京作品の愛読者のやなぎやこ。本書のトップを飾る氏の「薔薇色のワインを」につきレビューします。主人公は既婚の熟女。実はプリアモリー(複数の異性を同時に本気で愛する特異精神体質)の気があり、独身時代は真面目に二股をかけていた。さて結婚して幸せ平凡な家庭生活を営々と続けるかと思いきや、マンネリ化した夫婦関係から夫以外の男と道を外す。最初に連れていかれた場所はSMクラブ。そこでのショーを見せられ、主人公に流れるアブノーマルの血が目を覚ます。かくして不倫相手と二人きりになってからも、男主導ながら自らも当事者となり倒錯プレイ続行。表題でもある薔薇色のワインを、さてどうする? まあ、あの程度ならノーマルの域か。実際にやってる夫婦いそうだし。けれど、他の著者の作品を読んでおらずアンソロジー全体に対する評価資格はなし。ノーマル、もといニュートラルの意味で星3つ。