このレビューはネタバレを含みます▼
シリーズ第10作となる本作は、定型に安住せず“国外捜査×国家の闇”という変化球を打ち出した意欲作
超長距離狙撃という物理的トリックの驚きと、物証なき海外事件という制約が、捜査をじわじわと消耗戦へと追い込んでいく‥
ライムが出し抜かれ続ける前半の展開は、読者にも同様の無力感を強いる構造で、緊張と停滞が表裏一体で続きます
政治的テーマはやや粗削りながら、「疑わしき者は排除されてよいのか」という問いは確かな余韻を残す
サックスの奮闘とチームの変化が物語に人間的な温度を添え、シリーズに新たな呼吸を吹き込んだ一作