ネット小説を書籍化した作品です。世界観としては中世ファンタジーが近いかと。短編で話が進んで行くので大きな山場は無く、ちょっとした日々の事件の中で、主人公の王子(リヒト)と従者(フェルナン)の心境の変化が話のメインかな。従者の正体は早々に明かされます。二人の心境は丁寧に書かれていて良かった。伏線的なものはほぼ無く、ストーリーにはもう少し深みが欲しいところ。片付かなかった問題も有るしね。ちなみに、朝チュン…夜チュン?(笑)表紙イラストで大々的にアレが書かれて無いのが、意表を突かれて良かった。エロは有りませんが、ファンタジー風味世界で、もどかしい恋の苦悩を味わいたい方はどうぞ。