このレビューはネタバレを含みます▼
神保町という街そのものの魅力を、ミステリの舞台として掬い上げた一作
ヴィンテージギターをめぐる事件は、知らない世界を覗き見る面白さがあり、専門的な話も物語の流れを損なわず読ませる
とりわけ、古書だけではない神保町の顔を描いている点が印象的で、街の空気や店々の存在感が作品に独特の味わいを添えています
一方で、謎解きそのものには物足りなさが残り、事件の着地点ももう一段の苦みや意外性が欲しいところ‥
それでも、生まれ育った街を知り尽くした主人公だからこそ見えてくる人間模様には、シリーズで読みたくなる魅力がある
ミステリとして読むだけでなく、神保町を歩くような感覚で楽しめる街小説として味わいたい作品