このレビューはネタバレを含みます▼
コナン・ドイル財団公認の正式なシリーズ続編です。時間軸は『最後の事件』の直ぐ後で、メインにいるのはピンカートン探偵社調査員のチェイスとスコットランド・ヤードのジョーンズ警部、ホームズもワトスンも不在のまま物語が進んでいきます。なのにホームズの存在感はそこかしこにあって、最後の最後までシャーロック・ホームズシリーズの物語として読める作品です。ワトスンが記す物語ではスコットランド・ヤードの刑事達は飽くまで引き立て役ですが、彼らにも彼らの考えや物語、人生がある。シリーズの登場人物により厚みを持たせた作りが印象的でした。