藍川京作品の愛読者のやなぎやこ。本書に収録の「寄り道」につきレビューします。京都を訪れた三十路女。元カレを自死で失い最悪感から古都を彷徨う。そこでの偶然の出会いからラブロマンスへと展開。邂逅から戦闘開始までの流れは自然な筆致で、プレイ内容も際立った倒錯シーンがないものの丁寧な描かれ方でじっくり読める。主人公は恋人が自ら命を絶ったことについて自責の念に駆られていたところ、徐々に苦悩から解放されて幸福を味わっていく。ヒロインが精神的に救われていくさまを見て、やなぎやこもほっこりした。これも成仏した恋人の導きか。読者も最後は幸せな気分になる。ではあるが、他の著者の作品を読んでおらずアンソロジーの冊子全体に対する評価資格なし。ということでニュートラルの意味で星3つ。