序盤は特にダラダラ進み、タイムリープものとしては珍しく主人公が賢くないので、ややダレる。が、その賢くない部分も、群を抜いて馬鹿なわけでもない部分も、際立って変人でも善人でも悪人でもなく、強固な意志をもつわけでもなく、リープ前をダラダラと悔やむ独白が続くわけでもなく、リープ後に人が変わりすぎるほどでもなく…人ってこんなものよねと思わせられる凡人ぶりを発揮する主人公に少しずつ惹き込まれる。
お約束として、狙った以上のバフ高感度を稼いでいくが、徹頭徹尾、主人公としては保身の行動の結果であるところが、進むにつれてツボってくる。
序盤のダラけさえ乗り切れば、ベタだがしっかりと小説としての骨を持つ作品として楽しめると思う。