戦記、物語、英雄譚として傑作。傑出してるのは設定のバランス。主人公は弱いし、頭はいいけどそこまでではないという絶妙のバランス。人の好き嫌いが割とリアル。能力高くて性格いい人と仲良いとは限らないのをうまく表現している。ただ、多くのヒロインについてはチョロインだけど。
展開などは戦記モノとしてはわりと普通なんだけど、主人公が、強くもないし人の考えてることがすべてわかるみたいなチートでもないため、ハラハラドキドキが自然に展開していて非常にレベル高い。駄作の戦記だと主人公を賢すぎる設定にすると、そんなこともわからなかった、読めなかったの?っていう微妙なピンチになるんだけど。この作品だとそんなこともなく。
若干の欠点は読んでる最中に、省略した主語、視点が切り替わり読みにくくなる箇所があるところ。だれかの主観っぽいところに客観主観みたいな文章がたまに入ったりする。
ただ、それでも、非常にレベルが高くて素晴らしい。