このレビューはネタバレを含みます▼
キャサリン・ダンス・シリーズの中でも「知性で嘘を見抜く」という武器が通じなくなる瞬間を真正面から描いた異色作
群衆心理そのものを凶器に変える犯人像は、直接的な暴力よりもはるかに不気味で、人間の脆さを容赦なく突きつけてくる
一方で、ダンス自身の左遷、家庭問題、恋愛といった私的な要素が幾重にも重なり、物語は常に不安定な均衡の上を走り続ける‥
複数の事件が並走する構成はやや賑やかだが、その混線こそが終盤の反転をより鮮烈にしています
シリーズ屈指の大仕掛けは好みを分けるものの、「真実を見抜く者さえ欺かれる」というテーマは強烈で、読後にじわりと残る余韻は確か👌
ディーヴァーの技巧と感情ドラマが交差する一作