残虐な加害者は、少年法で守られ、傷害、暴行、恐喝、殺人は、イジメと言う言葉で学校内の揉め事として曖昧になる。被害者は泣き寝入りしかないのか、神はいないのか、その叫びがヒリヒリと伝わる。
ストーリーは、櫂と文稀の絆と勧善懲悪を主軸にして読み易いが、二人の行う予行練習と言う名の加害者への制裁に胸がすくのも束の間で、何をしても元に戻らない被害者の心と体、人生を思うと胸が押し潰される。そして、制裁を受けた加害者は真っ先に被害者を疑い、被害者が逆恨みの対象になり、また攻撃されてしまうのではないかと不安で堪らない。どうかどうかと祈りながら光を求めて読み進めた。