ネタバレ・感想あり完全版 ノーマル・ハートのレビュー

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大切なことほど知らされない
2022年1月8日
フレディ・マーキュリーの死をきっかけにHIVを知り、その当時でも治療困難であるという認識でいたけれど、その遥か以前に症例が発見されてからも長く捨て置かれたままであった上に、いまだに「治療困難」どころか「完治不可能」であるとまでは知らないまま‥いや、知らされないままであったことが驚愕であった。

〈新聞に取り上げられていない=解決した〉ではないのだ。
無知と無関心と無理解の恐ろしさを知ると共に、今も努力している人たちの存在を埋もれさせてはいけないと強く強く思う。

そして座裏屋蘭丸先生のイラストに、罹患された方と、その恋人の哀しみ・怒りが集約されていて、涙を誘わずにはおきません。
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『どうか知ってほしい』
2021年9月22日
舞台は1983年頃のNY。エイズはまだ"謎の奇病"で正体不明だった頃の話(実話)。
「…エイズかぁ…」と、何となく読み始めるのに覚悟が要りました。思っていた以上にハードで、あまりにもたくさんの人物が亡くなる。
プロローグ的に置かれた「ラリー・クレイマーからの手紙」だけで、もうとんでもないものに手を付けたとわかってしまった。
辛いシーンから始まり、辛いシーンでEND。
これはラリー自身の話であり、みんなの話であり、私たちの話。私たちの友人の、話。
作者のラリー・クレイマー氏は、2020年5月に84歳で亡くなりました。エイズ禍、そしてこのコロナ禍を生きるゲイたちの姿を執筆中だったそうです。仮タイトルは『An army of lovers must not die』。まさにネッドの生き方そのもの。
声の大きな人、過激なことを言う人、とにかく正論ばかりをがなり散らす人というのは、きらわれる。だけども事態の打開には戦うしかないんだと突き進む姿が、やるせなく、歯痒く、堪らない。その原動力が愛情だとわかるから、尚更。
これは、今を生きる人類の一人として、読むべきものだと思うし、この過程は知っておくべき事実。

もっともっと、知られるべき。もっともっと、読まれるべき。
名作
2020年11月6日
映画は観ていません。マットボマーが出演してるからちょっと気になるけど。本書は演劇用?で会話で話が進んでいきます。読みにくいかな?と心配してましたが、すぐ引き込まれます。涙腺は崩壊しますが、小気味良い会話もあるので重くなり過ぎず読めました。名作!
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