このレビューはネタバレを含みます▼
すみもりさい先生の最近の作品ほど完成されてはいない。それなりには面白いけれど。
というのは自分の力を封じる系の設定は封じる理由が難しく、どうしても全力を出していない感が出る。だからピンチや余裕が無くなったりするときに、はじめから全力ならばと。どうしても読んでいると傲慢さや油断、尊大さを感じてしまうからである。それらは普通は悪役に求められる要素であり、主人公であるならば好感を下げるだけのものである。
この作品もそういったものを消しきれてはおらず、主人公に好感を感じるかといえば微妙なところである。
ただ、すみもりさい先生の特徴であるわかりやすく流れるようなテンポのよさはあるので、それなりに面白く読める作品ではある。