このレビューはネタバレを含みます▼
宮沢賢治の父政次郎の視点でえがかれるところが斬新。でも、お父さんは家族への愛にみちています。
あの時代の父親にしては、優しいし、わりと柔軟な感じがよかった。
それにしても宮沢賢治のダメの見本みたいな騙されやすいところとか、真剣に成功すると思ってるところとか、宗教かぶれるところとか、お坊ちゃんでなかったら、あの発想で暮らしてはいけなかったでしょう。
妹のトシが結核で倒れ、賢治の書く話がすきだとのことで、はじまる執筆。妹がなくなったあとも、父が読み手になり、命がつきるその日まで、一番のファンでありつづけているのが素敵でした。
2人の子供に先立たれる政次郎の叫びがとても、心にささりました。