てっきり「検非違使の夫が持ち帰ってきた未解決事件を、話を聞いただけの妻が颯爽と解決する、平安安楽椅子探偵ミステリー」かと思ったのですが…。
確かに夫は謎を持ち帰るけど、妻はそこまで探偵じゃなくて、別に「御簾の中」だけで解決してるわけでもなくて、期待外れでした。
まぁ、当時の貴族のお姫様が世俗に詳しいわけないんですよね。だから忍は、貴族の姫・妻としては普通。祐高も貴族として普通。
そんな普通の貴族の夫婦が、検非違使が持て余す謎をすんなり解けるわけがない、そりゃそうだ。
そう考えると、探偵は御簾の中にはいないんだよね。
あと、この作者の作品は初めて読んだんですが、ちょっと文体が苦手なところがあって、読むのが結構辛かった。残念。