このレビューはネタバレを含みます▼
児童文学の枠に収まりきらない、アフガニスタンという国の現実をまっすぐに伝える物語
戦争や政治の変化を、ひとりの少女の成長と日々の暮らしを通して描くことで、遠い国の出来事が一気に身近なものとして迫ってくる
とりわけ、学ぶことや未来を思い描くことさえ容易ではない環境で、それでも知ろうとするビビの姿が印象的
宗教や歴史、タリバン統治下の社会についても自然に触れられ、物語を読み進めるうちに背景まで知りたくなります
悲惨さを並べるだけではなく、家族や人とのつながり、未来への希望をしっかり描いているからこそ、読後の余韻も深い
子どもにも読める文章でありながら、大人が読めば別の角度から考えさせられる懐の深さがある
「平和」という願いを一人の少女の人生から伝える、胸に残る一冊