ネタバレ・感想ありこちら後宮日陰の占い部屋 オリジナルエピソード付き特別版のレビュー

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何だか読んでいて前向きになれました
ネタバレ
2023年2月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 市井で評判の謎の女占術師の凜可馨が、後宮で占術の提供を依頼されることから物語が進んでいきます。凜可馨の正体である、実は男性の泰隆と、助手である夢鈴のコンビが、後宮で妃の悩みや騒動の解決に一役買っていきます。
『執筆中につき後宮ではお静かに』の続編にあたる作品であり、前作の主人公の翔青楓の妹、夢鈴が主人公。姉の青楓も書物第一な変わり者として描かれていましたが、夢鈴はポジティブ思考で、筋力は裏切らない!というキャラとなっています。(度々出てくる「懸垂しよう!」という言葉にふと笑ってしまいます。)一方の占術を行う泰隆は、観察眼が鋭いのに率直すぎる口の悪さもあって、夢鈴が依頼者へマイルド化して伝えているところもおもしろいです。正体を隠しての占術ですが、2人の行動や優しさが人の心を救うことに繋がっていく展開がよかったです。

前作の登場人物や事件のきっかけも関わり補うような流れがあり、前作のコミカライズを読んでいた私にとっては全体のストーリーがしっくりきました。前作に比べるとミステリー要素は薄いですが、各キャラクターが立っていておもしろく読みやすいです。

オリジナルエピソードは、最後にある姉の青楓視点の内幕話です。本編の第3章あたりのお話でしょうか。夢鈴以上に合理的な青楓さんらしい話や、本編でややはっきりしなかった泰隆の過去の一部の話もあるため、こちらの内幕話付の方の購入でよかったです。
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