このレビューはネタバレを含みます▼
欧州の小国を舞台に、外交という名の見えない戦場を駆け抜ける一作
アンダルシアは、個人の悲劇から国際的な思惑へと物語を拡張させる構成が巧みで、一気に多層的なサスペンスへ引き込まれる‥
複雑に絡み合う人物関係や各国の思惑は決して軽やかではないが、その重厚さこそが本作の醍醐味
黒田康作という存在は、単なるヒーローに留まらず、「国家」と「個人」の狭間で揺れる現実を体現している
華やかな欧州の風景の裏側に潜む緊張感と、静かに積み上がる謎の手触りが心地よい読後感
骨太な国際サスペンスを味わいたい読者にこそ手に取ってほしい作品