ネタバレ・感想あり黒牢城のレビュー

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時代ものと推理ものの融合
ネタバレ
2023年9月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 織田信長に反旗を翻して有岡城に立てこもる荒木村重は城内で発生する難事件に頭を悩ませます。そこで土牢に閉じ込めている軍師・黒田官兵衛に推理を依頼するという設定がまず斬新です。

場面も城自体が取り囲まれた閉鎖空間で、緊迫感が増します。さらにそれぞれの思惑が交差する心理戦でもあるという極めて贅沢な展開になっています。

時代もの、推理もの、それぞれ好きな人にお奨めの作品です。
息詰まる心理戦
ネタバレ
2023年5月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 籠城中の有岡城で起こる数々の不可解な出来事。祟りだ冥罰だと混迷する中、村重が囚人官兵衛の知恵を借りて解決するというくだりは面白く、この牢越しの二人のやりとりは興味深かった。謎をひとつ解決するたび孤立していく村重。正直謎解き細部よりも、追い詰められ焦り次第に統率力を失っていく村重と、村重の孤独を操り戦さを仕掛ける官兵衛の真の企みの方が恐ろしかった。でも本当に恐ろしかったのは怪事件の裏に潜む動機です。「退かば地獄」と人心を駆り立て進むことしか許されない戦国の世。極楽や冥罰に救いを求める乱世ならではの残酷で悲しい動機に胸が詰まりました。普段時代小説を読まない私には少々難しい内容でしたが、乱世にあって武門を重んじる武士の生き様は理解し難いながらも史実を踏まえたストーリーは面白く、とても興味深く読み終えました。
史実を知ってても知らなくても
2022年4月26日
安楽椅子探偵形式の話ではあるが、そんな単純なものではない。ミステリ的な仕掛けや意外性にも富んでおり、賞を総なめにするのも頷ける重厚な内容となっている。史実を知ってると理解できる部分はあるが、知らなくても楽しめる。
一風かわったミステリー
ネタバレ
2023年2月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 黒田官兵衛がとらわれたときの話です。
歴史を知ってるので、この状況でどんなミステリー?と思いましたが、これは新しい展開。
囚われつつ、相手を殺す方法を何通りも考え、そのうち1つでも熟せばとか、まさに軍師官兵衛のなせるわざです。
これはこれで、怖いなあ。たくさんの策をめぐらせる頭脳、捕まえていても恐ろしい。
大筋は史実にそっているので、わかりやすいですが。
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