このレビューはネタバレを含みます▼
怖い話を並べるだけでは終わらない、怪談実話集としての味わいがある一冊
日常のすぐ隣に潜む異変から、因習、怪異まで、61話それぞれが異なる表情を見せる
なかでも表題作の「黒いバス」は、死者だけでなく生者の情念まで背負って走る存在として強く印象に残った
露骨な恐怖を押しつけるのではなく、不可解な出来事の余韻がじわじわと広がっていくのが魅力
怪談らしい恐ろしさに加え、どこか物悲しく、説明のつかない世界を覗き見る面白さもある
短篇中心なので読みやすく、それでいて一話ごとに異なる後味が残るのも巧み
怪談好きならもちろん、実話系ホラーを読みたい人にもお薦めの一冊