このレビューはネタバレを含みます▼
すごく惹き込まれるお話でした。
特にメッセージ性や刺さる部分がある内容ではありませんでしたが、良くも悪くも読み終わった後にかなり引きずるお話でしたね。
伊坂幸太郎さんの小説はあまり読まないのですが、やはりこの方はそれぞれの視点になりきって臨場感のある小説を書くのがすごくお上手なのですね。
コロコロと場面や視点が変わるのに、よくついていけました。
ですが、終わり方に納得がいきません。
暴力や人からの冷たい視線を受けて育ったふうがとゆうが、あまりにも報われなさ過ぎます。
主人公が亡くなケースはなかなかないのである意味衝撃を受けましたが、すごく後味の悪い胸糞悪い話でしたね。
「ふうがとゆうがは一心同体のような存在」と思えばまだそこら辺の終わりも納得いくのですが。
ただただ誰にも迷惑をかけずに生きてきたかっただけなのに、父親などのせいで散々な思いをして、挙句死ぬ。
なんて切ない人生なんでしょうか。
暴力を受けて育った子供が迎えるラスト、といえばかなりリアルなものになりますね。
幸せになるのは、難しいことです。