ネタバレ・感想あり十二人の手紙のレビュー

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手紙のみで物語が進む
2023年2月1日
書簡体小説で有名な作品の1つである『あしながおじさん』の小説がとても良かったので、他の作品を探していたところ、試し読みで読んだこの作品が面白そうだったので購入してみた。
書簡体小説というのは、その本の登場人物が書いた手紙が連なることでストーリーが進んでいくものである。それだけ聞くと「え?」と不思議に思うかもしれないが、興味を持たれた方はぜひ試し読みから読んでみてほしい。私は活字が苦手で普段はこういった本は敬遠しているのだが、私自身が手紙を書くことが好きな影響なのか、書簡体小説はとても読みやすく魅力的に感じた。赤の他人の手紙なのにすごく胸が高まる。続きが気になって仕方がない。久々に読書に夢中になった。
ちなみにこの本を買ってみようと思われている方にアドバイスだが、全章をしっかり読んだ上で最後のエピローグを迎えてほしい。
近年はSNSやネットワークの発達が進み、手紙や葉書(年賀状等)を書く機会が減ってしまった。私は年に数回友人に手紙を書いているが、直筆だとより、書き手の気持ちがこめられている感じがしていいな、と思う。この本は実際に手紙を書くときに、この表現を真似したい、参考にしたい点が多く見つかる上、内容もなかなか面白いので何度も読み返したいと思わせるものであった。井上ひさしさんの作品を読むのはこれが初めてだったが、購入して良かったと思っている。
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