上記のあらすじの経緯を辿り、会社が倒産した夫のために自らの体を権力者のお偉いさんに差し出す妻。落語の「芝浜」に出てくる奥さんにも引けを取らない賢婦ぶり。かくして商談成立。あとはお偉いさんとの「契約履行」の数々のプレイ描写が続出。筋書きは多少の差こそあれ、著者の他作品にも少なからず使われているパターンだが、やなぎやこは以下の2点より、本作を高く評価する。
① 話の展開が高密度で盛り沢山。性愛小説として楽しみたい向きには嬉しいつくり
② お偉いさんとの逢瀬を重ねるうち、奥さんも半ば強制的なやらされ感を持っていたのが、やがて、まんざらでもないといった心境に変化する。また、ギスギス気味だった夫婦の仲もラスト近くに回復し、まずまず幸福な読後感