めぐりあう日とはよく言ったもの。二人が分かれてから再会するまでが本当に長かった。二人の年齢も、西暦も書かれていないので、具体的な年月はわからないものの、数年はかかっている模様。その長い年月に違和感を感じさせないのは、ヒロインの深い信仰心。そして、ヒーローへの一途な思い。
ヒーローもとても一途。とは言え、次男でもともと信仰を志していたという設定だから辛うじて信じられるけど、時代背景を考えると複雑な気持ち。
と言うのも、本作に登場するヘンリー8世はもちろん実在の人物で、嫡出男児が生まれずに結婚と離婚を繰り返した非情な人。そして、男児を出産できなかったエリザベス女王の生母に不貞の罪をなすりつけて処刑している。史実はとても残酷で厳しい。
本作は、史実と虚飾とが絶妙にミックスされて、ハラハラドキドキしながら一気読み。とても面白かった。