ネタバレ・感想ありその花の名を知らず 左近の桜のレビュー

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どこまでも続く迷路のよう
ネタバレ
2022年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公桜蔵が、不思議の国のアリスのように謎めいた人々と出会う物語です。夢と現実、過去と未来が入り混じり嘘か本当かもわからない。桜蔵より前の世代の人々の、まさに蛇のように絡まった因縁を彼が辿っていきます。長野作品らしく明確な答えは提示されないけれど、それもまた魅力の一つでした。
今回の桜蔵は、自ら曖昧な世界に足を踏み入れているように思えました。これまでの仕方なく巻き込まれる様子とは違う。未だ自分の出自が定かではない彼にとって、ある意味自分のルーツを知りたいという思いがあったのかな。とても読み応えのある作品でした。
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作家名: 長野まゆみ
出版社: KADOKAWA