ネタバレ・感想あり裏切りの指輪【ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊版】のレビュー

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スリルと陰謀
ネタバレ
2023年12月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ いきなりヒロインの愛娘(乳幼児)が誘拐されていて、なかなかの緊張感での始まりでした。
ヒロインの夫は過去にヒロインに仕掛けられた卑劣な罠のせいで、ヒロインが浮気をした、子供も自分の子ではないと思い込んでいます。 ヒロインに別の家を与えて離婚はせず必要品やナニーだけ与えて放置のの飼い殺し状態にしていました。 それでも一応ヒロインのために動く気はあるようで、事件の解決にはかなりの努力をして子供を取り戻すことに成功しています。 憎ければ離婚して追い出せばいいのに、妊娠出産育児については放置するけれどプライドのためか離婚しない中途半端なスタンスです。
罠にはめられたヒロインは夫に一言もわけを聞いてもらえず一方的に遠ざけられるという理不尽な目に遭っています。
夫の父はヒロインを排除するために浮気に見える場面を作った卑劣な男ですが、血も涙も無いのかと思ったら息子や孫への愛情は人一倍で、自ら招いたこと・・・息子が妻を失って(裏切られたと思って)苦しんだり自分の子を他人の子だと思っているなどなど・・・に苦しむという自業自得な目に遭っていてユニークなキャラだと思いました。
★いつどのように真実が明らかになるのか、その時夫がどういう風になるのかを楽しみに読んでいました。 その辺の記述はやや短くあっさり終わってしまいましたがまあまあいい感じでした。 なあなあに和解しかけていたところに爆弾でした。
ちょっと気になっているのは、夫はヒロインには離婚せず別居して無視という罰を与えているのに、浮気相手だと思った男には何もしていない(記述がない)のです。 本当に怒ったのなら男の方にも報復をするべきだと思うのですが、逃げた男を探した様子もなく無罪放免のようで腹が立ちます。 女性だけ断罪するというのは弱い者いじめのようで嫌な感じです。
それに、結婚した後は仕事が大変な時期だったとは言え、自分の親の家にヒロインを放置して話も聞かずまるで家具のように自分の使う時だけしか見向きもしないダメ夫で、本当に浮気されても仕方が無いような扱いでした。
ヒロインは苦労の末強くなって、何も言えない弱気な妻から言いたいことをどんどん言える女性になっていて小気味よかったです。(母は強し?)
このお話には今や定番のDNA鑑定や携帯電話が出てこないし、「看護婦」と書いてあって、作品の時代が想像できて面白かったです。
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