テレビで拝見していて夏井先生の言語化の素晴らしさにいつも感嘆しうっとりしてしまい「先生の言葉をもっと浴びたい」と感じこちらを手に取りました。私は俳句を嗜んだことがないので一句を見てもそれがどういう意味か汲み取ることがまだまだ足りないのですがこちらの本はその句に対して夏井先生が文章を紡がれていて「あぁなるほどそういうことか」と読解させてくれ、また先生の選択される単語の巧みさ秀逸さ美しさを文字として捉え楽しませてもらえて本当に嬉しく思いながら一ページずつめくって読み進められました。
やはり常に言葉と生きていらっしゃる夏井先生だからこそ、先生が作る文章は語感を刺激してくれてまるで温度がわかるような匂いが香ってくるような感触が伝わってくるような文字が並び、それを見ているだけですごく心地が良くなりました。こんな文章を紡げるようになれたら、楽しいだろうなぁと思ってしまうほど自分にとっては喜びで溢れるような言葉だらけの一冊でした。
そして何よりも私が夏井先生が好きなのは、その美しい言葉たちの中に先生の個性あふれるユーモアさもふんだんに散りばめられているところです。
ユーモアは生まれ持っての素質なのでいくら勉強しても培われることのない唯一無二の側面だと思いますが夏井先生の、こちらをクスッと笑わせてくれる文章構成の技量が素晴らしいこともあり、俳句を知らないわからない私でも気軽に楽しむことができた、素晴らしい一冊でした。