ネタバレ・感想ありトラブル・イン・マインドのレビュー

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作者の振れ幅と底力を一望できる密度の高さ
ネタバレ
2026年1月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ ジェフリー・ディーヴァーの第三短編集『トラブル・イン・マインド』は、長編で築いた技巧を、短編という高速域で惜しげもなく解き放った一作

上巻はおなじみのライムやダンスら看板キャラが次々と登場し、シリーズ読者の期待を正面から受け止めつつ、短編ならではの鋭角な逆転で確実に裏切ってくる
一方、下巻では作風がぐっと揺さぶられ、オカルトや心理の領域にまで踏み込みながら、「正義」や「合理」の足場そのものを問い直す
とりわけ中編級の読み応えをもつ「永遠」は、論理と感情のせめぎ合いを見事に物語へ昇華した白眉
ドンデン返しはもはや目的ではなく、読者の思考を攪乱するための手段に過ぎないことを、本書は雄弁に物語っています

短編集でありながらディーヴァーという作家の振れ幅と底力を一望できる、密度の高い作品
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