ネタバレ・感想ありラブカは静かに弓を持つのレビュー

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先生と主人公の関係性に胸熱
2025年5月26日
まず著作権と音楽について考えさせられる作品です。今後この世に生まれるであろう沢山の音楽を楽しむには著作権を大事にしなければならないこと、だけどそうなると誰でも気軽に音楽を楽しむということのハードルが上がってしまうということ、それぞれの立場から正しさと信頼関係について深く共感しました。
チェロという楽器やそれに伴う音楽を通しての葛藤や安らぎ絆を感じれる作品です。また、作中には実在する有名な音楽や作者も登場しますが、中には頻繁に出てくる楽曲や作者が架空の存在でありながら、文字を読んでいると耳にしたことがあるはずのないチェロとピアノが自然と聴こえてくる感覚を覚えました。
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緊張感と臨場感、音楽と人と信頼と
ネタバレ
2025年2月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一気に2日で読んでしまった。読み始めた日の夜は、深海の夢を見た。恐ろしさや不安はないけど薄暗い静まり返った海の底の夢。それくらい世界観に引き込まれたということか。
音楽の著作権が筋にはなってるんだけど、チェロの深み、音楽の価値観、年をとっても色褪せない恐ろしい過去、演奏を通して繋がる人との関係や信頼、音楽と今を生きているという感覚の芽生え、人との関係の脆さと強さ、社会での生き方、組織の中の自分と自己との対峙、いろんな大切なことが生きていれば自然と絡んでくるように細やかに描かれていて、すごく良かった。
バレたときの浅葉先生と橘とのやり取りは、心臓がギューってなった。またエピローグのやり取りも良かった。人と人がぶつかり合った生々しさが伝わってきて胸にズシンと残った。
一つだけ。ラブカは最古のサメの姿をとどめた幻の魚で、私は気持ち悪いとは思ったことがなく、むしろ魅せられていてかっこいいと思っているので、文中ラブカが散々ディスられてるのはちょっと残念だった(笑)
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著作権をめぐる作品。
ネタバレ
2023年2月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ある音楽教室に潜入することになった橘。
2年という長い潜入。仕事と割りきれない何かが橘の心をゆらします。
ラブカというのは深海魚で、作中のスパイ映画と重ね、メインテーマとなる曲を練習することになる橘。映画の内容と現在の状況。
チェロを再開し、過去の悪夢と向き合いながらも、師事している講師や仲間を裏切っている罪悪感。
不器用すぎる。
読んでいると自然と音が、情景が浮かんで、静かな気持ちになります。
余韻の残るラストです。
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