主人公たちが妖精に関した事から推理仕立てに展開していくことで自然と登場人物達の内面や過去が見えてくる仕組みが秀逸でした。事件を一つ一つ解決して張ってあった伏線を見事に回収していき読んでいて納得し前半は短編連作となり、後半はローザの出生と妖精についての謎に挑んでいく話です。
たくさんの伏線を解決しながらもまた新たな問題がでて複雑な中、しっかりした設定がある為深い内容に読み応えがあります。
そして主人公や登場人物たちや時代の風景の描写や心情が丁寧で品格があり本当に素敵です。佳境に迎かいながら自分らしさを見失わず希望を失わない強さがいいです。ローザとアルヴィンの強い思いに安心します。最後は大円団で妖精の世界観と共に楽しめました。
また、この作者さんの他の作品も是非読んでみたいです。