このレビューはネタバレを含みます▼
大人気作家氷室さんの若かりし頃を描いたエッセイ。
東京にいる遠距離の友達との長電話が大好きで、当時は北海道と東京なんてそりゃあ都内の家賃より電話代のが高くつくでしょう。
それに気づいて上京したとか、破天荒で面白いです。
お姉さんの事とか、他の母子エッセイでも書かれてた母親、そして父の事もいろいろ書かれてますね。
彼女の才能も、自由に生きたいという希望も非難して踏みにじり、こんなに自由な人に切れない鎖を巻き付けてた親の存在にはけっこう他人ながら辟易します。
なにもかもぶったぎって海外でも行っちゃえたらよかったんでしょうね。
呪いも深いがおもしろエピソードもたくさん。
個人的には光と闇で本を分けた方がいいような気もしました。でも全部伝えたかったし、当時は一部の人以外誰も胸を痛めずに面白がっていたんでしょうね。
まあそれも昭和エッセイの味かなあとも思います。