ネタバレ・感想あり所轄刑事・麻生龍太郎のレビュー

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「聖なる黒夜」から「RIKO」シリーズ
ネタバレ
2023年11月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ そしてここへと着ました。出版された順番通り「RIKO」シリーズから読み、その後「聖なる黒夜」を読んでたら私の麻生龍太郎に対する印象は随分と違うものになっていただろうと思います。「RIKO」シリーズに出て来る彼と練の怪しげな関係に大いなる興味を持ちながらもあの2人にそんな激動の過去があったなんて誰が想像出来るでしょう。練のことを思うと心が痛みます。若き日の麻生さんと会えて何だか感慨深い思いがあります。全てのピースを当て嵌めないと気が済まない慎重な捜査は彼の人なりでキャリア当初からのものですね。そして麻生さんのさりげない思いやり、繊細な一面も見れました。ここでの彼と及川の関係はとても自然なもので、彼らのいつもはこんな感じなんだろう、と2人の日常のお付き合いを垣間見れたのも良かったです。でも及川さん可哀想に振られちゃいましたけど(笑)
及川!
ネタバレ
2023年7月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「聖なる黒夜」の主人公麻生が所轄刑事だったころの様々な事件が短編で描かれる。どれも短編なので割とささっと真相が明らかになり、事件はどれもなんとも言えない悲哀というか、薄闇のような感じがあった。麻生の刑事としての有能ぶりはわかったような気がする。

この作品で何より大事なポイントは、20代の頃の麻生と及川に会えるということ!あの頃の二人、一体どんな感じだったんだと期待に胸を膨らませてしまった。正直もっと麻生と及川がからんでいるところが見たかった、これじゃ足りなーい!と叫びたかったが、「赤い鉛筆」以外の話には全て何かしら麻生と及川がからむシーンが出てくるし、少ないながらも非常に重要な及川エピソードが出てくるので、私と同じく及川にはまった方々には一度読んでみてもらいたい。

本作での及川切ない!なポイント①:麻生に合鍵を持ってもらいたいと望むも、拒否られる(及川は麻生に決して強要したりしない!)。②麻生に自分の部屋へ引っ越すようもちかけるも、拒否られる(しかも一部屋貸すって言ってるのに、逃げ道あげてるのに!麻生ったら!)③麻生が泊まりに来ても、酒でいろいろごまかすしかないような中途半端な状況(非番の前夜だけ泊まりにくる麻生!)。

などなどから、麻生と及川が非常に微妙な状態にあることが見受けられ、麻生はずっと迷ってるし、一方及川の方は麻生に対する自身の気持ちはかたまってたのに、麻生の迷いがわかってるから、それ以上進むことはできない、といったことが想像され、なんとも切ない。

ちょっとわからなかったのが、及川は結局新しいパートナー(カメラマン)と暮らし始めるのだけれど、てっきり麻生との関係は麻生が結婚するまで続いてたんかなと思ってたので、これは私の思い違いなのか、それとも、新しいパートナーと別れてまた麻生とずるずるよりを戻すようなこともあったりしたのか。でも、「一度決めたら揺らがない」のが及川という人間だそうなので、どうだったんだろう。及川もまだ若いし、「聖なる黒夜」に至るまでには長い時間があるし、「聖なる黒夜」では及川はまた別の人と付き合っているようだったから、恋愛面で及川に何があったかは想像するしかない。及川が新しいパートナーに「純くん」なんて呼ばれてるのは、すごくおいしかったのに、この人とも別れちゃうのか。及川幸せになれー。
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