サラッと読む分には子育て王道モノでいいのですが、ところどころ日本語の使い方、表現に違和感を感じます。地の文で並列を表すのに口語で使われる「とか」を使用していたり、他人の行為に使う言葉を自分の行為に使っていたり…。校正で気づきそうなものだけど…。そして、朝陽は1歳半くらいでおむつ持参だったのに、預かってすぐの帰宅後に、トイレに連れて行って(信頼関係もなくトイトレには早いと思う)その後もおむつの出番なしだったり2歳になったばかりでそれまでの2語文から急に3歳児並みの文章を話すようになったり、子育てモノ愛好家としては首を傾げる発育過程。交番の対応もあり得ないし、莉央の過去の家庭環境も何故父親がそう思い込むに至ったのか説明がなく、そんな妄想に取り憑かれた父親が新しい家庭を持てるものかしら?と気になるし、黒沢家の跡取り問題もあっけなくなかったことのようになるし、何だか広げた風呂敷の包み方が雑であちこちの弛みから大事なものがこぼれ落ちてしまったよう…。設定や文章のタイプに嫌な感じはないし、おもしろくないわけではないのですが、筆力不足を感じます。