このレビューはネタバレを含みます▼
唯一無二の発想を軸にしながら、探偵小説、ロードノベル、そして一生をかけた絆の物語を鮮やかに織り上げた一冊
次々と事件に巻き込まれていく緊張感のなかで描かれるのは、謎解き以上に、ピエタとトランジという二人だけが築き上げるかけがえのない関係性
友情とも恋情とも言い切れない想いは年月を重ねるほど深みを増し、その歩みを見届ける時間そのものが胸に残る
幻想性と現実感が違和感なく溶け合い、終盤では物語全体に散りばめられた意味がゆるやかにつながっていく感覚も見事👌
読後には切なさだけでは終わらない、不思議な晴れやかさと、この二人だからこそ辿り着けた結末への深い余韻が心を満たしてくれる