このレビューはネタバレを含みます▼
『ティンカー・ベル殺し』は、メルヘン殺しシリーズの最終巻
童話幻想と冷酷な現実が最も激しく衝突する一冊
ピーター・パンという“永遠の子供”を、無邪気さと残虐性が紙一重の殺人鬼として描き切った点に、本作の最大の挑発がある
閉ざされた雪山とネヴァーランドが呼応する二重構造は、読者の認知を巧みに撹乱し、疑念と不安を持続的に増幅させていく
大量の死が淡々と処理される冷たさの裏で、浮かび上がるのは「終わらない子供時代」の呪いだろう
シリーズを通して続いてきたアーヴァタールの仕掛けもここで一段深まり、物語は明確な解決よりも不穏な余韻を選ぶ
未完であるがゆえに、この結末はなお強く記憶に残る