題名の天竺牡丹とはダリアのこと。その花にゆかりのあるヒロインは若くして未亡人となっている。幼馴染を訪ねて、再会し、そして・・・。いくら情感豊かな作品を数多く著している氏のファンにしても、さすがに何度も似たようなパターンが続くと食傷気味になりそうだが、そうはならなかった。男女の絡みに突入してから本作の個性が明らかになる。肛穴への愛撫が長く続くのである。内部に指や道具や「全長」を挿入しない限りノーマルの範疇と考えるやなぎやこにとってこの作品は新鮮。ただ、この器官への責めの描写に多く紙面を割いたせいか、その後の展開が少々駆け足でせわしない。それでもやなぎやこは夫と死別したヒロインの幸せを願ってやまない。そしてふと思う。ダリアの花の形状はまさにヒロインが集中的に愛されたその部分にそっくりではないか。